今回はシステムトレードの始め方について解説していきます。今回の注目ポイントは以下の2つです。一つめはシステムトレードとは何か、二つ目が勝率80%の売買ルールの公開です。システムトレードという言葉を聞いたことはあるけれど、どのようなトレード手法なのかしっかりと理解していただきたいと思い、今回のブログ記事を作成しました。そして、システムトレードの具体的な始め方だけでなく、勝率80%の売買ルールもご紹介させていただきます。是非最後まで読んでみてください。
システムトレードの具体的な解説に入る前に、1年間の相場の傾向をつかめるガイドブックがあります。約1年間、12ヶ月の月ごとの傾向と対策を統計データによってまとめた約100ページのガイドブックです。無料で手に入れることができますので、ぜひ今のうちに手に入れてください。
ではまず、システムトレードについてご説明していきます。
目次システムトレードとは何か
システムトレードとは、過去にあるパターンが現れた時に売買していたら利益になったという実績を根拠に投資する手法です。言い換えれば、統計上の優位性を利用して行う投資手法だと言えます。下落相場でも利益を得たい、感情に左右されずに売買したい、統計的に有利な手法で売買したいと考える投資家が増え、最近ではシステムトレードもブームになりつつあります。
また、ここ数年は相場環境が低迷しているせいもあってか、密かにブームとなってきています。システムトレードというのは、過去の相場において有効だった、つまり儲かったパターンをルール化してそのルールに従って売買する手法です。実際には、下げ相場に強い方法や上げ相場に強い方法など、いろいろなルールを組み合わせて理想のシステムを作り上げることになります。
一般的には、システムトレードは過去一定期間の株価データを分析し、統計的に有意性のある売買ルールを導き出し、その売買ルールに従ってトレードする手法です。システムトレードは一つの投資方法であり、バリュー投資、成長株投資、デイトレード、スイングトレードといった数ある投資手法の一つだとお考えください。
システムトレードの種類
システムトレードは株やFXで主に使われている投資手法です。FXでのシステムトレードについては、FX各社がシステムトレードのツールを提供しているのに対し、株のシステムトレードについては自分でプログラミングを行う方法、エクセルで自作する方法、「システムトレードの達人」のような有料ソフトを使う方法が一般的です。
ちなみに、システムトレードの有料ソフトは「システムトレードの達人」「イザナミ」「システムトレードの魂」と複数ありますが、それぞれ機能や使いやすさ、サポート体制が異なります。自分に合ったソフトを使用すると良いでしょう。ちなみに、このブログでは「システムトレードの達人」を使って検証を行っています。
システムトレードのメリットとデメリット
メリット
システムトレードの最大のメリットは、感情に左右されずに機械的にトレードができることです。これにより、裁量トレードでうまくいかない投資家や、目先の株価に翻弄されてしまう投資家にとって非常に有効です。また、一度有効な売買ルールが見つかれば、それ以降は少ない労力でトレードすることが可能です。忙しい会社員にもおすすめできる手法です。
デメリット
一方で、システムトレードは有効な売買ルールを見つけるまでが大変です。何度も検証を行う必要があり、労力がかかります。また、必要最低限のテクニカル指標を理解することも求められます。株の勉強に時間を割けない方や、細かい作業や数字が苦手という投資家には向いていないかもしれません。
システムトレードの始め方
システムトレードを始めるには、まず売買ルールを見つけることが重要です。しかし、自分で売買ルールを見つけるようになるまでには、ある程度のシステムトレードの経験や知識が必要かもしれません。そこで、今回は「システムトレードの達人」を使ってどのように売買ルールを見つけ出すのかについて、一つの戦略を例にご説明します。
逆張り戦略の例
今回ご説明する例は、突然の暴落に備えた逆張り戦略です。次の2つの期間の日経平均株価の東チャートを見てください。一つ目が2015年10月から2016年8月のチャートです。中国の株式市場の急落や原油価格の急落などによって暴落した2015年10月の相場。もう一つがアメリカの大統領選挙によって急落した2016年8月から2017年1月にかけてのチャートです。
このように、株式市場の急落は年に数回はだいたい起こっています。今回はこの突然の暴落に備えた逆張り戦略を構築していきます。
買いのルールの設定
買いのルールとしては、以下の3つの条件を全て満たした場合に翌日に成り行きで買い付けるという戦略です。
条件
1. 日経平均の終値が前日の終値と比べて3%以上小さい
2. 終値と移動平均の乖離率がマイナス10%以下
3. 終値と移動平均25日の乖離率がマイナス25%以下
これらの条件を全て満たした場合に、翌日に成り行きで買い付けることが目的です。これは日経平均株価が大きく下がった時に、株価が大きく下落した銘柄を買い付けることが目的です。
売りのルールの設定
売りの条件には以下の2つの条件を定義付けます。
条件
1. 含み益が10%以上になった場合
2. エントリーした日から7日以上経過した場合
こちらの1もしくは2を満たした場合に、翌日に成り行きで手じまう戦略です。含み益10%以上は利益確定が目的です。エントリーした日から7日以上経過は期限切れが目的です。これは銘柄の保有日数が長期にならないように設定されています。売りのルールが含み益が10%以上だけでは、この条件を満たさない場合ずっと保有してしまいます。特に株価が下落したまま戻らない銘柄は、含み益が10%以上の条件を満たさずに損失の幅が拡大し続ける傾向があります。
バックテストの実施
このように売買ルールの条件が整ったので、まずは通常モード(資金管理がないモード)でバックテストを行います。発注方法は買い売りともにシグナルの翌日の成り行き注文で行います。具体的な「システムトレードの達人」を使った設定方法は以下の通りです。
今回は日経平均株価を対象としたルールですので、銘柄コード0101を入力すると日経平均株価のみを取り扱ったルールを設定することができます。そして、次に売りの条件2つを設定します。このように構築した売買ルールを2000年以降の株価データに照らし合わせた検証結果を確認します。
検証結果の確認
検証結果を見ると、勝率が80.1%、累計損益が+9.26%、プロフィットファクターも5.037となっており、2000年以降のシミュレーションでは安定した利益を稼ぐことができています。このように、チャートから特定のパターンを探し出し条件を設定することで、自分で作成できる売買ルールを見つけ出すことができます。
システムトレードのまとめ
システムトレードは有効な売買ルールを見つけるまでは大変ですが、一度売買ルールが完成すれば、あとは機械的にトレードするだけですので忙しい会社員にもおすすめな手法です。ぜひあなたも試してみてはいかがでしょうか。
なお、このブログの概要欄に今回検証で使った「システムトレードの達人」のフリー版を手に入れることができるURLを記載しています。まずは検証してみたい、どのような形でシステムトレードが検証できるのかを確認するにはおすすめのツールです。ぜひ手に入れてみてください。
関連する質問と回答
Q1: システムトレードは初心者でも始められますか?
A1: はい、システムトレードは初心者でも始められます。ただし、基本的なテクニカル指標の理解や、売買ルールの設定方法について学ぶ必要があります。最初はシンプルなルールから始め、徐々に複雑な戦略を取り入れていくと良いでしょう。
Q2: システムトレードの有料ソフトはどれがいいですか?
A2: システムトレードの有料ソフトには「システムトレードの達人」「イザナミ」「システムトレードの魂」などがあります。それぞれ機能や使いやすさ、サポート体制が異なりますので、自分に合ったソフトを選ぶと良いでしょう。まずは無料版で試してみて、自分に合うかどうか確認するのも手です。
Q3: システムトレードの欠点は何ですか?
A3: システムトレードの欠点は、有効な売買ルールを見つけるまでに時間と労力がかかることです。また、過去のデータに基づいているため、未来の相場で同じように機能する保証はありません。市場の変動や予期しない出来事に対する柔軟性が求められます。
Q4: システムトレードと裁量トレードの違いは何ですか?
A4: システムトレードは、統計的に有効なルールに基づいて機械的に売買を行う手法です。一方で、裁量トレードはトレーダーの経験や直感に基づいて売買を行います。システムトレードは感情に左右されないため、安定した成績を期待できますが、裁量トレードは柔軟性が高く、相場の変動に素早く対応できる利点があります。
Q5: システムトレードはどのような人に向いていますか?
A5: システムトレードは、感情に左右されずに機械的にトレードを行いたい人、裁量トレードでうまくいかない人、仕事や他の活動で忙しいため、トレードに多くの時間を割けない人に向いています。一方で、細かい作業や数字が苦手な人には向かないかもしれません。