今回は株を始めたばかりの方に、信用買い残が多いと株価が上がらない理由について解説していきます。本記事の解説の前にお知らせです。実は日本株市場では、あるタイミングで株価が高確率で上がる傾向があります。12ヶ月間の傾向がつかめるガイドブックを今だけ無料プレゼントしておりますので、概要欄よりお受け取りください。それでは本題に入ります。
目次信用買い残とは
信用買い残とは、その銘柄について信用取引の信用買いで買われた取引のうち、決済されていない株式の残高を指します。制度信用取引の決済期限は6ヶ月であるため、信用買い残がある銘柄は6ヶ月以内に決済するための売り注文が出ることを意味します。これにより、信用買い残がたくさん残っている銘柄は将来的に売り圧力が強くなる可能性があります。ただし、新たな信用買い注文も入ってくるため、信用買い残が多いからといって必ずしも株価が下落するとは限りません。
現物取引と信用取引の関係
株式投資で現物取引のみを手掛けている場合には、信用取引は関係ないと思われるかもしれませんが、信用買い残が多いことは将来の売り圧力を意味するため、現物取引しか手掛けていない場合でも要チェックが必要な指標となります。信用取引の状況を把握することは、適切な売買タイミングを見極める上で非常に重要です。
信用売り残とは
信用売り残とは、その銘柄について信用取引の信用売り(空売り)で売られている取引のうち、決済されていない株式の残高を示します。制度信用取引で空売りした銘柄は6か月以内に買い戻す必要があるため、信用売り残がたくさん残っている銘柄は将来的に買い圧力が強くなる可能性があります。ただし、信用売り残も新たな信用売り注文が入ってくるため、必ずしも株価が上昇するとは限りません。
信用倍率とは
信用買い残と信用売り残の比率を示した指標が信用倍率です。信用倍率は、信用買い残を信用売り残で割って計算されます。信用買い残の方が多い場合には信用倍率は1以上となり、信用売り残の方が多い場合には信用倍率は1未満となります。信用倍率を見ることで将来の売り圧力や買い圧力を予測することが可能です。
実際の銘柄の例
例えば、日本を代表する投資の地下部外者であるソフトバンクグループ(9984)の2023年4月28日時点での信用残のデータを見てみましょう。ソフトバンクグループの信用買い残は1140万600株、信用売り残は241万2600株であり、信用倍率は4.73倍となっています。これは信用買いの方が信用売り残より4.73倍多いことを意味します。このようなデータを元に、注目銘柄について信用倍率の情報をチェックすることが重要です。
市場全体の信用取引の状況
個別銘柄の信用買い残、信用売り残、信用倍率と合わせて、市場全体で信用倍率がどのようになっているのかをチェックすることも重要です。市場全体の信用倍率は東証が毎週発表しており、日本取引所のホームページで公開されています。2023年4月28日時点での東証全体の信用取引の指標によると、信用売り残は7659億円、信用買い残は3兆3119億円であり、信用倍率は4.32倍です。
信用評価損益率
市場全体を見る際に重要な指標の一つが信用評価損益率です。信用評価損益率とは、信用取引をしている個人投資家の損益の平均値を表す指標です。信用取引をしている個人投資家は平均的には常に損失を抱えている状況となっており、マイナス10%前後で推移しています。個人投資家は信用買いをしている比率が高いため、相場全体が大きく下落すると信用評価損益率のマイナス幅が大きくなる傾向があります。
売り時を見極めるための判断材料
信用買い残などで売り時を見極めるための判断材料として、信用買い残だけでなく信用倍率をチェックすることが重要です。さらに、現時点での信用倍率の値だけでなく、信用買い残や信用倍率の前週比からの変化についても注視する必要があります。また、株価チャートやPER、PBR、ROE、配当利回りといった指標も合わせて総合的に判断することが求められます。
まとめ
本記事では、信用買い残、信用売り残、信用倍率といった信用取引の指標や見方について解説しました。信用買い残の方が信用売り残より多い銘柄なら将来の売り圧力が大きく、信用売り残の方が信用買い残より多い銘柄なら将来の買い圧力が大きいと見ることができます。ただし、これだけで株価予測をするのは難しいため、他の指標も合わせて総合的に判断することが重要です。
関連する質問と回答
信用買い残とは何ですか?
信用買い残とは、その銘柄について信用取引の信用買いで買われた取引のうち、決済されていない株式の残高を指します。制度信用取引の決済期限は6ヶ月であるため、信用買い残がある銘柄は6ヶ月以内に決済するための売り注文が出ることを意味します。
信用売り残とは何ですか?
信用売り残とは、その銘柄について信用取引の信用売り(空売り)で売られている取引のうち、決済されていない株式の残高を示します。制度信用取引で空売りした銘柄は6か月以内に買い戻す必要があるため、信用売り残がたくさん残っている銘柄は将来的に買い圧力が強くなる可能性があります。
信用倍率とは何ですか?
信用倍率とは、信用買い残と信用売り残の比率を示した指標です。信用買い残を信用売り残で割って計算されます。信用買い残の方が多い場合には信用倍率は1以上となり、信用売り残の方が多い場合には信用倍率は1未満となります。
信用取引の指標を見る上で重要なポイントは何ですか?
信用取引の指標を見る上で重要なポイントは、信用買い残と信用売り残の比率を示した信用倍率です。また、信用倍率の前週比からの変化や市場全体の信用取引の状況もチェックすることが重要です。
信用評価損益率とは何ですか?
信用評価損益率とは、信用取引をしている個人投資家の損益の平均値を表す指標です。個人投資家は平均的には常に損失を抱えている状況となっており、マイナス10%前後で推移しています。相場全体が大きく下落すると、信用評価損益率のマイナス幅が大きくなる傾向があります。