[第8回] システムトレードの達人: 5ステップでエントリーの優先順位を学ぶ

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前回はフィルターという機能を使って成績を改善させるための改良を行いました。今回は前回同様、成績向上を目指すための改良についてお話しします。エントリーだけで利益は変わるのかということについてですが、エントリーとは最初に買ったり空売りしたりして取引を始めることを指します。今回はエントリーする時、つまり株を買い付けする時に優先順位を設定することで成績が改善しないかを試してみます。

資金料に限りがある時の銘柄選びの基準

限られた資金の中でどの銘柄を買うべきか。その基準をどう設定するかについて考えてみましょう。例えば、資金的に5銘柄しか買い付けできない時に、買ルールの条件を満たした銘柄が20銘柄あった場合、この中からどの銘柄を選ぶべきかはっきりしていません。このような場合、何らかの基準で優先順位をつけて銘柄を選別することが重要です。

エントリー時の優先順位の設定

優先順位のつけ方としては、以下のような方法が考えられます。

1. 移動平均の乖離率がマイナスのものから優先して買い付ける。

移動平均の乖離率がマイナスということは、現在の株価が移動平均よりも低い位置にあることを意味します。これは割安な状態である可能性が高く、将来的なリバウンドを期待できるという考え方です。

2. ボラティリティが高い銘柄を優先する。

ボラティリティが高いということは、株価の変動が大きいことを意味します。リスクは高いものの、うまく取引できれば高いリターンを得られる可能性があります。

具体的な設定方法と検証

システムトレードのフリー版には「エントリー時の優先順位」という機能があります。これを使って、例えば25日移動平均線からの乖離率がマイナス幅が大きいものに優先順位をつけて買い付けする設定を行います。

設定方法は簡単です。資金管理を選択し、エントリー時の優先順位の買順位をクリック。終わり値と移動平均線の乖離率を選択し、移動平均は25日、順番は標準に設定します。

検証結果とその解釈

設定後、早速検証を行います。結果はグラフで確認できますが、運用資産はスタート時の3000万円から増加していることがわかります。フィルター機能をつけて検証した結果と比較しても、勝率や合計損益が改善していることが確認できました。

長期的な検証結果

さらに、1990年3月1日から2014年4月30日の約24年間での検証結果も確認してみました。一時期の資産の減少が見られる時期があるものの、長期の資産曲線も右肩上がりになっており、設定の有効性が確認できました。

多様な条件での優先順位設定の可能性

優先順位の設定については、ここで紹介した25日移動平均からの乖離率だけでなく、他の条件でも設定可能です。ボラティリティや他の移動平均線、場合によってはファンダメンタルズの要素を取り入れても良いでしょう。多様な条件で検証を重ねることで、新たな発見があるかもしれません。

まとめ

今回のポイントは以下の通りです。

1. 資金量に限りがある時は買い付けする銘柄には優先順位をつけることで成績を改善させられる。

2. エントリー時の優先順位を変えることで売買ルールの成績が大きく変化する。

ここまでで売買ルールのアイデアを考え、検証し、改良する一連の作業は終わりです。ご自身でも立案・作成・検証・改良の手順に従ってどんどん検証を行ってください。システムトレードの達人フリー版ではたくさんの条件式がありますので、色々な売買ルールを作成して活用してください。

関連する質問と回答

1. システムトレードを始めるために必要な初期投資額はどれくらいですか?

システムトレードを始めるための初期投資額は個人の資金状況やリスク許容度によりますが、一般的には少額から始めることが推奨されます。10万円から50万円程度を目安にすると良いでしょう。

2. システムトレードのメリットとデメリットは何ですか?

メリットは感情に左右されず、ルールに従って取引できることです。また、過去のデータで検証できるため、再現性が高い点も挙げられます。デメリットはシステムの設定やメンテナンスが必要である点と、予期しない市場の変動に対応できない場合があることです。

3. システムトレード用のソフトウェアはどれを選ぶべきですか?

システムトレード用のソフトウェアは多くの種類がありますが、初心者にはユーザーフレンドリーでサポートが充実しているものがおすすめです。例えば、MetaTraderやTradeStationなどが人気です。

4. システムトレードで安定した収益を上げるためのコツは何ですか?

安定した収益を上げるためには、リスク管理が非常に重要です。ポジションサイズを適切に設定し、損失を限定するルールを必ず設けることが大切です。また、定期的にシステムのパフォーマンスをレビューし、必要に応じて調整を行うことも重要です。

5. システムトレードのプログラムを自分で作成することは可能ですか?

プログラムの作成には一定のプログラミングスキルが必要ですが、基本的なルール設定や簡単なスクリプトならば初心者でも可能です。多くのシステムトレード用ソフトウェアには初心者向けのガイドやサンプルコードが用意されているので、それらを活用すると良いでしょう。

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