【株】寄り付き前の板読みを解説!見せ板を見抜くコツとは?

今回は株を始めたばかりの方に寄り付き前の板の見方について解説していきます。本記事では寄り付き前の板の見方や注意点、おすすめの活用方法を解説します。板情報に惑わされず、有効活用するためにもぜひ参考にしてください。

寄り付き前の板は安易に信用するな

株式投資は午前9時から11時半の前場、午後12時半から15時までの後場で取引するのが基本ですが、市場が開く1時間前から注文自体は入っています。そしてその動向は取引板を見れば一目瞭然であることから、買い注文が集まっているからエントリーしようといった判断をする方も多いでしょう。しかし結論から言うと、寄り付き前の気配値を信用しすぎるのは少々リスキーであり、安易に注文すると想定外の損失を被る可能性もあります。

寄り付き前の板とは

ここではまず寄り付き前の板の基本を確認していきましょう。

基本その1:前場と後場の1時間前に入る注文

寄り付き前とは、前場の始めが決まるまでの時間を指しており、株式市場が開く1時間前から成り行き・指値注文できます。すなわち寄り付き前の板に表示されるのは、市場の投資家による約定されていない注文であり、取引が開始するギリギリまで入り続けるのです。実際のところ、寄り付き前にエントリーしておけば、始め値に近い株価でポジションが持てるため、一見するちょっと手の効果的な投資手法と言えるでしょう。誰でもチャレンジできるので、もし興味があれば最低限の資金で試すのもおすすめです。

基本その2:簡単に発注とキャンセルが行える

寄り付き前の注文は特別な手続きを経ることなく自由にエントリーできる反面、簡単にキャンセルも行えます。すなわち板に並んでいる情報は数分後に全く変わっているケースが多く、端的に言えば信憑性が低いのです。具体的に買い注文が大量に入っていても、市場が開くまでに大口の投資家にキャンセルとなれば、一瞬で売り注文が優勢になるため、投資の根拠としてはあまり強くありません。ただし裏を返せば、前場・後場が始まる直前に多額の注文が出現する可能性もあることから、もし寄り付き前の板をもとにトレードするのなら、始め値が決まるギリギリまで監視した方が良いでしょう。

寄り付き前の板に潜む注意点

ここからは寄り付き前の板で注意するべきポイントを解説します。

注意点その1:めまぐるしく配置が変わる

寄り付き前の注文は投資家の気分一つで簡単にキャンセルできるため、肝心の気配値も目が回るようなスピードで変わります。また、時価総額が大きく人気の高い銘柄は特に値動きが激しいので要注意です。たとえば、特定の株式が一時的に大きな買い注文を集めたとしても、突然キャンセルされることもあります。そのため、寄り付き前の板情報を鵜呑みにするのではなく、動向を観察しながら慎重に判断することが求められます。

注意点その2:あえて大きな注文を入れる勢力も存在する

もちろん許される行為ではありませんが、株式市場にはあえて大きな注文を入れて気配値を操作する勢力も存在します。例えば、多額の買い注文を見せておけば、経験の浅いトレーダーはチャンスと勘違いしてエントリーする可能性が高いでしょう。しかしほとんどの場合は、取引開始直前にキャンセルとなり、取引開始時に株価が上がったところで売り注文をぶつけるといった悪質なトレードを行うのです。参考までに、このような動きは時価総額が安くコントロールが容易な低位株で発生しやすく、寄り付き前の板で最も注意するべきポイントです。

寄り付き前の板の見方

寄り付き前の板の注意点が把握できたところで、次は具体的な見方を確認していきましょう。

その1:成り行き注文の動向を重要視する

始め値が決まる大原則として、まずは成り行き注文から優先的に約定されます。具体的には、株の注文板に「成り行き」と表示されるため、視覚的にも分かりやすいでしょう。成り行き注文はその時点の最適な株価で約定されることから、シンプルに株式の需要や人気度の判断に役立ち、市場心理を読み解く鍵になります。もし成り行き注文が多ければ、株価は多少前後しても良いから保有したいというトレーダーが一定数存在することになるので、効果的な判断材料として活用が可能です。一方、指値と同じく簡単にキャンセルできる点には注意が必要であり、取引開始ギリギリまで引き付けるようにしてください。

その2:特別気配値の株式を抽出する

株式市場が開く際は、始め値を決めるために必ず滞留している注文を約定させるプロセスが発生しますが、もし1日の値幅制限を超えると特別気配値として通常の取引が停止されます。具体的には、多くの買い注文が集まると「特別買い気配」、多くの売り注文が集まると「特別売り気配」と表示されます。証券会社のツールを用いれば、膨大な買いが集まっている銘柄を網羅的に抽出できるため、セクターなどの共通点を見つけて優位性の高い投資判断が行えるでしょう。

その3:業種ごとにチェックする

寄り付き前の気配値を業種ごとにチェックするのもおすすめであり、全体的な雰囲気を包括的に判断できます。また、少し手間をかけて株式ごとの成り行き注文までチェックすれば、より詳細な情報がわかるので、朝かお昼にある程度時間の余裕がある場合は試してみてください。業種ごとに気配値を見ることで、その業種全体のトレンドや動向を把握しやすくなり、個別銘柄の動きを確認する際にも役立ちます。

まとめ

寄り付き前の板にはまだ約定されていない注文が並んでおり、発注とキャンセルが交錯することでめまぐるしく配置が変化します。したがって、あまり信用しすぎるのは少しリスキーですが、業種ごとや特別気配値などで抽出すれば信憑性のある情報が得られるでしょう。これからは株の初心者向けコンテンツを配信していきますので、是非チャンネル登録してね。

関連する質問と回答

寄り付き前の板情報をどのように活用すれば良いですか?

寄り付き前の板情報は、全体的な市場の動向や投資家の心理を読み取るための参考材料として活用できます。ただし、短期間で大きく変動するため、注意深く観察し、最終的な判断をする際には他の情報とも照らし合わせることが重要です。

どのような銘柄が寄り付き前に注目されやすいですか?

時価総額が大きく、人気の高い銘柄や、直近に重要なニュースが発表された銘柄が寄り付き前に注目されやすいです。また、値動きが激しい低位株も寄り付き前に大きな注文が入りやすい傾向があります。

寄り付き前の注文がキャンセルされることが多いのはなぜですか?

寄り付き前の注文は特別な手続きを経ることなく簡単にキャンセルできるためです。投資家が市場の動向を見ながら注文を変更することが多く、結果として板情報が頻繁に変動します。

特別気配値とは何ですか?

特別気配値とは、市場が開く際に一定の値幅制限を超えた注文が集まった場合に表示される価格のことです。例えば、多くの買い注文がある場合は「特別買い気配」、多くの売り注文がある場合は「特別売り気配」と表示されます。

寄り付き前の板情報だけで投資するのはリスキーですか?

はい、寄り付き前の板情報だけで投資を決定するのはリスキーです。情報が頻繁に変わるため、他の分析手法や情報と併用して総合的に判断することが重要です。また、マーケットオープン直前までの動向をしっかり観察することも大切です。

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