2018年も5月下旬に入り、日経平均株価は3月の暴落以降、徐々に回復基調にあります。果たしてこれから先の相場はどのように動くのでしょうか。今回はシステムトレードの専門家、斎藤雅樹さんをお招きし、2018年6月の展望についてお伺いしました。
目次4月・5月のシステムトレード成績
斎藤さんのシステムトレードの成績は、4月まではあまり良くありませんでした。ほとんど横ばい、もしくは微減という状況でした。3月の大きな暴落が影響したと考えられます。しかし、5月上旬から徐々にシステムが機能し始め、良いパフォーマンスを示すようになったとのことです。
3月の暴落とその影響
3月の大きな暴落は、システムトレード全体に影響を与えました。寄り付きは高かったため、大きな利益を得ることはできませんでしたが、それでも少しの利益を確保しました。暴落自体がシステムの成績を大きく下げたわけではなく、まんべんなくシステムが良くない状態が続いたため、徐々に削られていく形となりました。
5月に好成績を収めたルール
5月に入ってから、特にデイトレードのスイングトレードが好成績を収めました。押し目買いの調子が悪かった分をデイトレードがカバーし、トータルで利益が出始めました。このように、複数の戦略を持つことで、特定の戦略が調子を崩しても他の戦略でカバーすることが可能です。
調子が悪い時期の対応
斎藤さんは、調子が悪い時期でもすぐにルールを変更することはありません。概ね1年くらいはそのルールを我慢して使い続け、問題があれば修正するといったスタンスです。また、新しいアイディアが浮かんだ場合は、その期間にとらわれずに追加することもあります。
ルールの改善と改良
ルールの改善や改良を行う際の目安として、ドローダウン(資産の一時的な減少)が回復するまでの期間を考慮します。過去にないほど長い期間がかかる場合、新しい相場に対してルールが適応できていない可能性があります。しかし、相場の特異性も考慮し、すぐにルールを変えるのではなく、少し様子を見ることも大切です。
資金管理と精神的な強さ
システムトレードは一貫して行うことが基本ですが、精神的に耐えられない場合は、資金を減らして様子を見ることも一つの方法です。運用を続けられなくなることが最も問題ですので、自分の精神的な強さに合わせて資金を調整することが重要です。
2018年6月の相場予測
斎藤さんは相場予測を行わないスタンスですが、希望としては人工的な相場ではなく、自然な値動きのある相場になることを望んでいます。値動きの大きさがあれば、システムトレードも対応しやすくなりますので、暴落でも上昇でもいいので、動きのある相場が望ましいと考えています。
システムトレードで伸び悩む方へのアドバイス
斎藤さんも過去に苦戦した経験がありますが、運用を続けることで、最近のように戻ってくることがあると述べています。ルール自体に問題がなければ、そのまま運用を続けることが重要です。また、最近はシステムが機能しやすくなってきている感覚があるため、もう少し待ってみると報われる可能性が高いとも言っています。
関連する質問と回答
1. システムトレードのルールを作る際のポイントは何ですか?
システムトレードのルールを作る際には、過去のデータを元にしたバックテストが重要です。また、カーブフィッティング(過去データに対する過剰適応)を避けるために、複数の異なる相場条件でテストを行うことが推奨されます。
2. システムトレードを始める際の初期資金はいくらが適当ですか?
初期資金は個人の財務状況やリスク許容度によりますが、一般的には100万円以上が望ましいとされています。これにより、ある程度のリスクを分散しつつ運用を開始することができます。
3. システムトレードと裁量トレードの違いは何ですか?
システムトレードは事前に設定したルールに従って取引を行うもので、感情や直感が介在しません。一方、裁量トレードはトレーダーの判断や感情が影響する取引方法です。システムトレードは一貫性が保たれる利点がありますが、裁量トレードは柔軟性が高いという特徴があります。
4. システムトレードのルールを見直すタイミングはいつですか?
一般的には、システムのパフォーマンスが大幅に悪化した場合や、相場の状況が大きく変わった場合にルールを見直すことが推奨されます。また、少なくとも半年から1年に一度はルールの見直しを行うことが重要です。
5. システムトレードのリスク管理方法は何ですか?
システムトレードのリスク管理には、ポジションサイズの管理、ストップロスの設定、分散投資などが含まれます。これらの方法を組み合わせることで、リスクを最小限に抑えつつ、安定した収益を目指すことができます。
この記事では、システムトレードの専門家である斎藤雅樹さんのインタビューを通じて、2018年6月の相場の展望やシステムトレードにおける心構えについて詳しく解説しました。システムトレード初心者から経験者まで、幅広い読者にとって有益な情報となることを願っています。