今回は「デッドクロスは有効?」について解説します。注目ポイントは以下の2つです。
1. デッドクロスとは何か?
2. デッドクロスは空売りが有効か?
具体的なデッドクロスの解説に入る前に、1年間の相場の傾向をつかむガイドブックをメールアドレスだけで取得できるので、ぜひ確認しておいてください。
目次デッドクロスとは何か?
デッドクロスとは、短期の移動平均線(例えば5日移動平均線)が長期の移動平均線(例えば25日移動平均線)を上から下抜けすることを指します。この現象は一般的に株価の下落が続くサインとされています。
デッドクロスを実際のチャートで確認すると、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜けする箇所が赤丸で囲まれているのがわかります。この下抜けがデッドクロスと呼ばれ、株価の下落トレンドの始まりと見なされます。
投資の格言では、「ゴールデンクロスは買いのタイミング、デッドクロスは売りのタイミング」と言われています。つまり、デッドクロスが現れると売りのサインとされ、株式を売却するタイミングとされています。しかし、この格言が本当に有効なのかどうかは多くの投資家が疑問に感じる点です。
デッドクロスの統計的有効性
デッドクロスが本当に有効な投資手法であるかを検証するために、21年間の株価データを分析しました。具体的には、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜けした後の株価の動向を調査しました。
検証対象は東証1部貸借銘柄で、検証期間は2000年から2021年2月末まで。検証結果は以下の通りです。
- 勝率:31.62%
- 平均損益:-0.69%
これらの結果から、デッドクロスを利用した空売り戦略は統計的に有効でないことがわかります。勝率も低く、1トレード当たりの平均損益もマイナスであることから、デッドクロスを空売りのサインとして利用するのはリスクが高いと言えます。
デッドクロスの逆戦略
デッドクロスの空売りが有効でないなら、逆にデッドクロスした銘柄を買い付ける戦略はどうでしょうか?そこで、デッドクロスした銘柄を買い付けし、ゴールデンクロスしたタイミングで売却するという戦略を検証してみました。
検証の条件は以下の通りです。
- 買いの条件:5日移動平均線が25日移動平均線を下抜けした翌日に成り行きで買い付ける
- 売りの条件:5日移動平均線が25日移動平均線を上抜けした翌日に成り行きで売却する
検証結果は以下の通りです。
- 勝率:66.48%
- 平均損益:+0.68%
この結果から、デッドクロスした銘柄を買い付けし、ゴールデンクロスしたタイミングで売却する戦略は有効であると判断できます。デッドクロスは短期的な調整局面を示していると考えられ、このタイミングでの押し目買いが有効であることがわかります。
デッドクロスのまとめ
デッドクロスは一般的には空売りのサインとして知られていますが、過去21年間のデータを元に検証した結果、その戦略は有効ではないことがわかりました。むしろ、デッドクロスを買いのサインとして利用する戦略が有効であり、投資家に利益をもたらす可能性があります。
株式投資においては、一般的に知られている手法が必ずしも正しいとは限りません。データに基づいて検証を行うことで、より正確な投資判断ができるようになります。
関連する質問と回答
デッドクロスとゴールデンクロスの違いは何ですか?
デッドクロスは短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜ける現象で、株価の下落サインとされます。一方、ゴールデンクロスは短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜ける現象で、株価の上昇サインとされます。
デッドクロスを使った空売りが有効でない理由は何ですか?
検証結果から、デッドクロスを使った空売り戦略の勝率は低く、平均損益もマイナスでした。このため、デッドクロスを利用して空売りを行うのはリスクが高いと判断されます。
デッドクロスを使った買い戦略の利点は何ですか?
デッドクロスした銘柄を買い付ける戦略は、検証結果から高い勝率とプラスの平均損益を示しました。この戦略は短期的な調整局面を押し目買いのチャンスと捉えることができ、有効であるとされています。
デッドクロスを使う上での注意点は何ですか?
デッドクロスを使う際には、他のテクニカル指標やファンダメンタルズ分析と組み合わせて総合的に判断することが重要です。また、過去のデータに基づいた検証を行い、自分自身で有効性を確認することも大切です。
デッドクロスと他のテクニカル指標の組み合わせ例を教えてください。
デッドクロスを他のテクニカル指標と組み合わせる例としては、RSI(相対力指数)やMACD(移動平均収束拡散法)などがあります。これらの指標と組み合わせることで、より正確な売買タイミングを見極めることができます。